【コラム】耕さない田んぼ

2017.12.10

千葉県南房総市の「耕さない田んぼ」でお米づくりをしています。

五十嵐武志が10年以上、耕さない田んぼでお米づくりと向き合って培ってきた、「生き物・雑草・イネ・田んぼの観方」と、岩澤信夫先生の「冬期湛水不耕起移植栽培」をベースにしたお米づくりをお伝えしています。

「耕さない」と聞くと、驚かれる方も多いことでしょう。もちろん、耕すことを否定しているわけではありません。ではなぜ、私たちが「耕さない」を選んでいるのかというと、耕さない田んぼには、生きものの住処があるからです。
田んぼの生態系が豊かだと、外から肥料を与える必要がありません。土中の有機質、イトミミズの排泄物などがその役割を担っています。

耕さない田んぼに植える苗は、低温で、じっくり2ヶ月程かけて5.5枚の葉っぱまで生長した成苗です。(※育苗中に限り、床土に化成肥料を含むものを使いま す)この苗が、固い土壌にしっかりと根を張り、たくましい稲に育ちます。そのため、病害虫の予防をする必要が無いので、農薬が要りません。

草刈りは、稲と雑草と、双方の生態をよく理解したうえで行います。稲刈り後から冬の間、雑草が発芽しないように翌年の準備をします。
1月に田んぼの水を張り、田んぼに住む生きもののフィールドを用意します。(※南房総では12月下旬〜2月までに張り終えるのが理想)
田植え後、田んぼには一切入りません。ひたすら観察をして、必要なことがあれば手を加えます。草が生えない田んぼ作りをしますので草取りはしません。除草剤も使いません。

「耕さない田んぼ」は、足し算・引き算。基本をきちんと学んだうえで、自らの選択と実践を積み重ねていく。とても、シンプルです。
自然と化学(ばけがく)、両方の視点から考え、観察し、配慮をする。求めすぎず、周辺の地域の方々に迷惑をかけない、無理をしない。自分で田んぼをしていると、何が安全で、何が安心かわかってきます。